ハマグリどっこいしょ！
牛肉騒ぎはいずれ魚介類へも広がるのではないか、と、そんなことを思っていたら、
先日（２月２日）の日経新聞夕刊に桑名の焼き蛤のことが出ていた。
地場産（桑名産）蛤の値段だけど、
「…お値段を聞くと、目がドングリどころか蛤になるくらい高価なものらしい…」
と、あった。
記者氏の取材に手落ちはなかろう。
現地で本物の桑名蛤を食ってみただろうとは思うが、「…らしい」とあるからは記者氏ご馳走をおよばれしただけで、自分の財布は出さなかったのか？
味の良し悪しは、値段との釣り合いを言うのである。
タダで食ったらなんでも美味く、高価なわりには美味くないなどと思ったりする。
記者氏が自分のサイフを出したかどうか、
“ワシャそこが知りたい！！”
桑名は長良川河口の町。河口堰の設置工事が未だに続いている。
アレレ！ あそこでまだハマグリがとれたの？
“堰が川と海を隔て、提が人と水を隔てる”と、記者氏の卓見。
“牛肉騒ぎがハマグリと記者氏をひっつける”これ、わたし波平のひがみ。
似たような話にカツオブシのことがある。
最近われわれが口にする鰹節は、ありゃ二セ物である。
カツオはカツオでも、ソウダカツオといって一見サバに似た魚が本物鰹節の身代わりに化けて出たのである。
味は本物マガツオの鰹節に比すべくもない。
本物の味が忘れられてしまった今となっては、文字どおり（？）本物の鰹節に比すべくもない。要するにサッパリわけがわからなくなった。
本物鰹節は目玉ハマグリ。そういうことらしい。
“ハマグリの吸い物”や“本物鰹節の削りたて味”は、かつては優れて日本的な味であった。
もう、どんな味だったか、ワシャ忘れた。