腹具合

 

「オホーツク」のページで、“ホタテ食って腹具合がおかしくなった”話をしたが、これはそう軽々しい話ではないので、以下少し補足しておきたい。

 

フグ毒についての危険性はたいがいの人が知っている。

だが、シガテラ中毒や貝毒・魚卵毒については、あんがい知らない人が多い。

 

貝毒には、麻痺性のもの、下痢性のものがあって、呼吸困難や吐き気・腹痛・下痢など様々な症状が出る。

本当を言えば、馴れぬ海域で釣った（？）貝を、海水でゆすいで生で食うなどは、危険極まりないことなのだ。ましてや美味しいからといって、それを幾つも立て続けに食って無事である方がおかしい。

 

今回、この危険を考えなかったわけではない。貝を割って身を取り出し、ホタテのヒモと貝柱だけを食い、他の部位は食べなかった。だが、それでも腹具合は悪くなった。

幸い、少し腹が痛んだだけで、数回下痢をしたら治ったが、明らかに貝毒にあたったのである。心得違いの罰であろう。

 

実は、腹具合が一番悪かったのは、現地知人宅でご馳走をおよばれしていた時であった。

貝毒は、食欲を阻害し、せっかくの心尽くしのお膳がだいなしだった。

いろいろ珍味が並んでいた。

当然ながら、ホタテのサシミもあった。さすがにこれへは箸が延びなかった。

Ａ氏の前のホタテも半分残っていた。Ａ氏は腹の座った人物。ホタテ如きにひけはとらん。で、貝柱はやっつけた（食った）みたい。でも、ヒモ部分が残っていた。

 

さぁ、どうぞどうぞ！

と、勧められて、大きなドンブリまで出て、さぁさぁどうぞ！　と、当家の奥様。

「イクラご飯ですから」とのこと。

無作法だったが、つい先ほど、食事途中にトイレをお借りし、腹具合は幾分改善していた。

イクラ！イクラ！イクラ丼！

思わず、ドンブリのフタを開けると、厚さ２〜３センチものイクラ層。

食いましたねぇ、ほう〜ら美味かった。

 

だが、食い終わって、また腹具合が悪くなった。