丑の日

 

今日はウナギの日。そう言ってかみさんが夕飯にウナ丼を出した。

 

「どこのウナギや？」と、わたし。

「九州のウナギと書いてあった」とかみさん。

「九州の業者が中国から輸入して日本で売ったら九州産になる」とわたし。

「ふーん、パッパは美味しくないの？」とかみさん。

「いや、うまい」とわたし。

 

「ふーん、だったらゲースケにもやってね」とかみさん。

ゲースケ（飼い犬・シーズ犬）が、それを聞いてテーブル下から自分の椅子に飛び上がり、

わたしのウナ丼持つ手元を食い入るように見る。

「わかっとる、ゲーの分は取ってある、待っとれ！」とわたし。

ゲースケが、“ワイの分をオトッツアンが食っとる”というような目で見る。

 

ウナギは幾切れもドンブリに入っていた。

が、その内の約２切れは、初手からゲースケの分。向かい合って座っているかみさんの計算ではきっとそうなっている。

わかっとる。わかっとるから待っとれ！と、わたし。

「パッパ！！」と、かみさん。

 

アッという間にウナギを平らげたゲースケは、食後のビールを舐めている。

ビール瓶の底に、うっすらとビールを飲み残しておく習わしだ。

ゲースケ用である。

 

新聞・ＴＶによると、今日梅雨が明けたそうである。