ご先祖方

黒門市場というか鶴橋の連合市場というか、路地を挟んでごっちゃごっちゃした店屋が軒を連ねていて、ちょうど昼時だったもので、しっかりうまい物を食ってやろうと思った。

どうしても目が魚屋に向かう。エビとかハタハタとか、あのぬるぬるした魚はなんだろうと視線を止めると、おっさんが目ざとく気づいて、さぁ買えさぁ買えという。おなじ形のとんでもなくでっかいのを掴み揚げて、持ってケと言う。と、バグちゃんが横から手を出して、買い取った。

あぁ〜あ、と思った、と…、線路が幾本も交差しているなかを、向こう側へ渡ろうとするが、そのつど電車が走ってくるから、危なくていけない。

なんとか線路を渡り終え、プラットホームへたどりついた。

山陽電車「垂水駅」だ。高架じゃなくて、地面を這うように線路が走っている。「滝の茶屋駅」へ帰ろうとしているが、幾系統もあって、どれに乗ったらよいのかわからない。

乗った電車は走っている。車内はガランとしている。いつものように海側をみている。海岸に大きな船が座礁している。船体は中ほどから二つに千切れていて、なかからぞろぞろと人が出てくる。わたしは、操舵室にがんばっている。計器類は皆正常だ。任務を帯びていて、絶対の自信がある。あの山まで登ろうと思う。

目が覚めて、既に何時間も経つが、夢の筋道は未だ鮮明に覚えている。で、そのまま書き出してみた。

体調がいまいちである。原因は、１週間前の徹夜マージャンと、以後毎夜毎夜の呑み会・深酒にある。マージャンが負けだったのと、酒が不安定な、すなわち、楽しいような、気ずつないような酒だったことが、かくは作用したものと思われる。

今日は坊さんが彼岸法要に回って来る日である。

朝から、かみさんが、のっぴきならぬ用で出かけている。

坊さんは、わたし一人でお迎えする。

仏壇に住まうご先祖方が、ばかなやつだと笑っている。