なんか変だなぁ

 

春四月は、いわゆる一身上の都合とか、肩たたきとかが錯綜し、トント気持ちが落ち着かないことである。

現役を引退してマル２年。もうそろそろシャバの風から抜け出たいが、なかなかこれがうまくいかない。

 

別段ケチで言うわけではないが、釈然とせぬものの一つに、定年退職の際、あちこちから戴いた餞別のお返しがある。

わたしは、餞別を、未だ現役である仲間らからいただいたつもりであった。

で、２年経って、そのかつての職場仲間らもボツボツ定年を迎えることになり、今年も数人が退職した。

釈然とせぬのは、既に退職した者（例えば、わたし）から、今年退職組の方々へ、お返しとして餞別を出すことが求められているらしいことだ。

そういえば、わたしが戴いた餞別のなかに、幾人か既に退職されていた方々からのものもあったように思えなくもない。

でも、なんか変だなぁ？

 

高齢化が進んで、今までは現役が護っていた職場が、順次退職後の高齢者に引き継がれつつある。嘱託とか、シルバーとか、要するに貰える給与は現役時代の数分の１になったが、やる仕事はほとんど同じ。眼鏡を額にズリ上げて細かい字を読む。ちょっとだけよ！と、軽い気持ちで持ち上げた荷物が、腰にこたえて腰痛になる。思っていたより身体の老いが進んでいたわけだ。昼食休みの時間は、勤務時間に比して、より元気が出て飛び回っていた者が、昼飯食う間ももどかしく、机にもたれてついウトウトと睡魔との闘いだ。

見かけ上の給与は何がしか在るのはある。だが、退職厚生年金からドット差し引かれる。この額が半端じゃない。せっかく得たはずの見かけ上の嘱託給与のほとんど８・９割方相当額が退職厚生年金から差し引かれてしまう。結果、一ヶ月休まず働いて月給４万円てなことになる。

なんか変だなぁ。

 

高齢者の職場は、よく観察すると、若者らがやってもなおきつい仕事である場合が多い。

道路脇の工事現場。路上中央に仁王立ち。片方の車線を赤旗で制して、もう片方の車を通させる。一刻も気が抜けないシンドイ仕事。ヘルメットの中はシワだらけの顔。

あのね、歳食うとオシッコ回数が格段に増えますです。辛抱たまらなくなる。この苦しみ、若い人には想像つかんでしょうよ。

なんで、こんなオシッコ近い年寄りを、道端に立たすのよ。

なんか変だなぁ。