トカラ天国（友艇３）

 

「おやじ二人  ゼーゼー言いながら中の島の堤防からホッパーなげてます …」とある。

「空の星星は多く美しい」とある。

ヨシ坊が打って寄こしたトカラ列島中乃島からのルポ・メールだ。

 

３艇、総員１０名。

トカラの中之島に御岳という富士山様のかっこよい山があって、周囲は高原の雰囲気である。天文台がある。その近くに海遊倶楽部。山小屋もどきの宿。一行はここで満点の星の下、夜の食事を済ませ、中之島港堤防へ引き返し、ホッパー（ルアーの意）を投げているってこと。

 

中之島堤防で飛び魚を狙っているのである。

その飛び魚を餌に、ロウニンアジを釣る魂胆なのだ。

 

おやじ二人は、バグ○ちゃんと、ト○とっつあんだろう。

二人とも、まだ若いとはいえ社長業のアンコ型体型。ゼーゼー言いながらルアー投げに夢中だとは、いまだ少年の純な心の持ち主ってぇこと。

でも、三・四度投げるとアゴが出るのではないか。

 

やはり、息があがって直ぐやめたらしい。ヨシ坊のルポメールに、

「でも、ぼくがこのメール打ってる間に止めてもた」とある。

 

彼等（友艇３艇）は、２９日には、あまりの高波にトカラ海峡横断をあきらめたものの、今朝（５月１日）再挑戦し、とうとう海峡を押し渡ったのである。

直線距離では、屋久島からは口乃島が一番近い。

が、口之島へは途中に大きな平瀬があって、時化の時は座礁の危険があり、付近を通るのは大変危険だ。

トカラへ渡るに、なんと彼等は、この平瀬へ立ち寄ったらしい。ここで竿を出すつもりだったとは呆れた！無謀なことだ。

 

口之島と中之島の中間で、鳥山が立ち、トローリングでカツオが８本。

慣れぬ海域である。竿を持ち出すと、欲が出る、ついつい危険を忘れる。これがヤバイ。わたしは、再々安否を気遣う打電（メール送信）したが、そんなものは屁でもないみたい。１０人のガキらが、今、トカラ天国を走り回っておる。