フグ解毒法発見！

 

昨日（６月２２日）、トトロ艇が、周参見沖でゲットした１８３キロのカジキの、魚拓取りと解体があって、これを検分し、解体肉の大量おすそ分けにあずかった。

 

折りたたみの長机二つを、屋外に横並びにならべ、この上へ、クレーンで持ち上げた魚体を、ゆっくりと寝かせる。長机の脚が、重さに耐えかねて、くの字に曲がった。魚体が大きく長机からはみ出た。

 

ヨシ○が、軽口を叩きつつ、慣れた手つきで要領よく魚拓を取る。

トトロとっつぁんが、ドスを手に魚体へ挑む。

ドスの刃渡りが短すぎ、ズボッと柄まで埋まる。切り口に手を突っ込み、身を押し開きつつ刃を先へ送る。

胃袋に何匹ものソウダカツオがおさまっていた。胃袋は湯引きをして食うと珍味らしい。切り裂いて中身を出し、水道水でゴシゴシ洗う。見た目、ぐしゃぐしゃに濡れたドンゴロスのようである。

 

背身・腹身のブッロク、胃袋の一部、そして枕のように大きな肝を丸ごと頂戴した。

帰宅後、身の一部をサクに削り取り、刺身に造った。癖のないあっさりした味であった。

腹がふくれるほど食った。

胃袋は、教わったとおり、湯引きにし、刻み、二杯酢で食った。なるほど珍味。コリコリ感がたまらない。ついつい箸が伸び杯を重ねた。

 

肝は、大きな枕ほどもあった。

全部はとても一度に食いきれないから、分割し、ごく一部だけを（それでも鍋に入れると一杯になったが）、煮て食うことにした。

煮上がるのを待ちかね、一部をステーキ状に切り分け、バター焼きした。見た目、震えがくるほど美味そうであった。

焼きあがり、レモンを一切れ添え、醤油を少し垂らし、箸を入れる。ナイフとフォークの出がしばし遅れたのである。

 

実は、この日も、弟チカどん宅と一緒に食事していた。

珍しい到来ものがあったり、ワイワイ騒ぎながら食事したい時などは、両家はこうしてよく一緒に夕食を楽しむ。

わたしは、概ね、泰然と食卓に座り、酒を呑みつつ、ご馳走の出を待ち構える役柄だ。

チカどんは、一人ワイワイ言いながら料理をこしらえ、

「どや、うまいやろ、うまいやろ！」と料理を並べる役柄。

わたしのかみさんと、チカどんのマー（恋女房）は、男どものメチャクチャな会話と所作をよそに、なんだかんだしゃべっている。

 

ナイフとフォークを待ちかねて箸を突っ込んだのは、チカどんが先であった。ガボッと食った。

と、目を白黒させ、グワッと口をあけ、卓上に吐きだした。バッと立って、洗面所へ走った。

「ウホ〜、美味い！メッチャメッチャ美味い！」と彼。

「うわ〜たまらん」と、また洗面所へ。

わたしは、何がなんだかわからんまま、箸先で少し肝ステーキをつまみ口へ入れた。

うん？　ゴーヤ（ニガ瓜）の苦味か？

案外、いけるように思うなぁと、更にすこし口へ運んだ。

 

わたしも、洗面所へ走った。

それは、ゴーヤを腐り蒸かしたような代物であった。

この世の中に、これほど、見事な食い物は、他にあるまいと思われた。

 

以来、必死になって、カジキの肝の料理法をパソコン検索するが、未だ何も出てこない。思うに、漢方薬に使えそうな感じがなくはない。

フグ毒に当たった際、効きそうな予感がする。

やられたと思ったら、カジキの肝を思い出す。

と、毒が、ビックリして、体内から、逃げ出すのではなかろうか。

カジキの肝と一緒にされたのではたまらん…と。