駄　文

 

また年寄りくさいことを言って恐縮だが、

意識と、身体の乖離(かいり・分離の意）について、少し述べてみたい。

 

何事かをなすに当たって、

脳味噌は、以前のことを未だ覚えており、こうすればどうなると、終始一貫した知識と体験とを持っているが、

一方では、そのようには、すなわち脳味噌が予想したようには、もはや身体が付いていかない、動かない。

これが、老人の一つの悩みであります。

 

このようにいえば、脳味噌は未だしっかりしているように思われますが、実はそうではなくて、

実際は、朝晩しっかりご飯をたべているのに、そのことに脳味噌が付いてゆけず、未だ朝から、なぁんも食べていないような心地になったりする。

これも、老人の一つの悩みであります。

 

どちらにしても、確かに言えることは、身体と、脳味噌との間に、乖離・隙間が出来て、人格がバラバラになってゆく。これが歳をとると言うことではないか。と、わたしは、思うわけです。

 

最近、実に、甚だしく、物忘れをいたします。

わたしは、きちんと始末し終えたつもりでありますが、その実、抜かりが多いわけです。

脳味噌上は、始末をし終えておりますが、実際は、あれもこれも中途半端なまま、放置されていたわけであります。

かみさんに、その不手際を指摘されて、あぁそうだった、もう少し気をつけるべきだったと反省します。

が、その後、またあれ・これ、抜かったことをしでかします。

 

わたしという人間は、ひょっとしたら複数人間の集合体ではないかと思うに至りました。

わたしの内のＡ氏はきちんと始末をし終えていた。だけど、Ｂ氏は、そんなこととはかかわりない別の意識下にあったということ。

そもそも、人とは、バラバラの集合体ではなかったかと…。

幾人もの人格を、否、人生を、すなわち二重三重の人生をやっているのではと。

 

そう思えば、実に、バカバカしいような、くだらんような、…で、あって、なんとなく、もったいないような、日々ではあります。