印南釣行（その３）

「自分の歳のことを考えて遊びなさい」

と、かみさんが言う。

一泊二日の印南釣行の疲れがドッと出て、帰宅後２日を経たのに、未だフラフラである。

思うにフラフラ度はだんだんひどくなるようだ。

頭がキリキリ痛み、それがズキン・ズキンと重みある痛さに変わった。

真っ直ぐには歩きがたく、立ち居が難儀である。

おや？

おれは、いつの間にこんなに体重が重くなったのか、と、ズキン・ズキンのなか、自分の体をもてあまし、ドッコイショ・ドッコイショと、動いていたが、さすが何か様子が変だぞと思うにいたった。

体温計を脇にはさんだ。

体温計が興奮気味である。

暑気あたりが風邪を誘発したようだ。

腹が下っている。横行結腸（へそ下を右から左へ連なる大腸部分）がへなっているのが、実感できる。この部位はわたしの最大の弱点であって、いったんヘナルとなかなかもって治癒がむつかしい。漢方も現代薬もまるで役にたたぬ

ホカホカ懐炉をヘソ周りに３枚貼った。これで少し楽になった。

このたび同行の、二郎ちゃんは、どうしているのだろう？

電話口に出たおくさんの話では、元気溌剌、囲碁の会へ出かけたらしい。

たびたび窓辺にぶっつけていた頭のタンコブのありようを確かめたかったが、囲碁が打てるなら心配はなさそうだ。

彼は、例によって、艇内に、いろいろな忘れ物を残して行った。帽子・電動リールのバッテリー・釣り小物・その他色々。この忘れ物をお返しし切る頃、また次の魚釣りに一緒に出かけることになる。