挑　戦

 

わけもわからず100グラムのジグで太刀魚を１匹引っ掛け捕らえて以来、ひょっとしたらワイでもジギングがやれるのやなかろうかと思うようになった。

太刀魚釣りからの帰路途中、釣り具屋へ立ち寄り、新たなジグを二つ買い込んだ。

 

さて、

それ以後数日経って、ますますジギングが気にかかる。

４日前には本屋へ出向いてジグ・テクニック解説書を買った。

ジグでは、ビックリするほど大きな魚が、ドカドカ・ジャンジャン釣れるらしい。証拠写真が多数掲載されていた。

 

解説書をザッと読み終えて感じたことは、やはり、体力のことである。

ジャガジャガ巻きとか、ワンピッチ・ワンジャークとか、とにかく遮二無二・躍起になってリールを巻かねばならぬらしい。

加えて、ソルティカ何がしとかいう高価な竿やリールを買わねばならんようでもある。

 

必要な釣具（竿・リール・ＰＥ糸など）の調達資金はかみさんに泣きつくことにする。

が、体力の方は、泣きついて済むことではない。

解説本に体力の作り方を示すページがあり、使うトレーニング機器が載っていた。

わたしは、定年退職後、某大規模体育館に嘱託勤務させていただいている。トレーニング機器なら体育館にたくさんにころがっている。

わたしは、一大決心をした。

老体鞭打って、ジギング用の体力造りに励もうと思う。

 

まず、ベンチプレスの５０キロに取り付いた。

これが磐石の重さであって、ピクリとも動かなかった。

だんだん減らして３０キロに取り付くと、ほんの少しだが持ちあがった。

解説本には、ダンベルで筋力をアップし、パワフルなジャークをせえ、とある。

そこで、１０キロダンベルを左右に持ち、ワッセワッセをやった。

なるほど、パワーが日々アップするような心地がする。

 

で、今朝も勇んでベンチプレスに挑戦しようと、低いベンチに小腰をかがめて取り付いたら、途端に右側背筋がグキッとなって筋違いをおこしてしまった。

背中がネジレ折れたようである。

無粋な格好で事務室へ這い戻り、苦境を訴えると、皆が寄ってたかってわたしのシャツをたくし上げ、背中に大きなシップ薬絆創膏を２枚貼りつけた。

どうにも辛くて、

休養室へ入り⇒ぐっすり睡眠し⇒起きると⇒少し楽になっていた。

この調子なら、自分で車を運転し、帰宅できそうである。

 

体力増強筋力アップは、絶対的使命感をもって、毎日、朝・昼・夕方の、都合三回やることに決めてしまった。

が、今日は、以上のような突発的事故のため、レッスンを休まざるを得なかった。

その分、ジギング界への登場が遅れることになるが、このこと平にご容赦願いたい。