エビの頭　　

 

義弟チカどんが、よこしたエビの頭は、から揚げにした。

シカとはわからぬが、ブラックタイガーの頭であろうと想う。その生まれはインドネシア・スマトラ島か。

実に美味である。

カラリとから揚げされたエビの頭のうまさは、酒「播州地酒蔵」（本田商店・姫路は網干の酒）の原酒にピッタリ。

米は、雄町米だとか、それ、山田錦とならび称される酒米。背丈高く心白大きく、まさに酒のために顕れ出でた米。

 

なんで、雄町とスマトラか。

わけわからんが、酒と肴。

あっという間に、７２０ｍｌは空になった。

 

酒、濃厚な味である。

女の深情けといった味。

タイガーの頭。

微妙な好ましい味わいは、チト他では味わえぬかと思われる。

チカどん、この味知らぬは、生涯の不幸なり。

 

ついつい、エビの身へもヨダレ心を披瀝したのが、恥ずかしい。

エビ。それ、頭にエビ心（味）凝縮す。

あぁ〜おいしい。

 

ぬぬ！　

頭ばっかりなんて、失礼やわぁ〜、と、言うていたかみさんも、バリバリ・クシャクシャ食っておる。美味いものはうまいのだ。

 

かくして正月三日は暮れにけり。