塩風呂　　

今日は休み。

朝からむつかしい顔して黙りこくっていたら、

「パパ、潮風にあたって来たら」と、かみさんが言う。

「今夜のお風呂は、お塩入れた潮風呂にする？」と問う。

昨日わたしは昼から出勤したが、パソコンも、電気ストーブも、部屋の電気も、あれもこれも皆スイッチが入ったままだったらしい。トイレも流してなかったそうだ。

ダンナは相当いかれとる、と、彼女の目が言っておる。

で、さしたる用事はないけれど、勧められるままに、マリーナヘ行った。

今日火曜日はマリーナの定休日。

クラブ事務所が改築中で、旧事務所の取り壊しが始まっていた。小さなビルだとはいえ４階建ての鉄筋コンクリート。大きな鉄の爪が大儀そうにビルを削っていた。

ボート置き場へ回ると、塗装屋が某艇に取り付き、磨きに精を出していた。

マリーナ桟橋は空っぽ。

「はまちどり」艇は、いつもの定位置から中央寄りに移動させられていた。

キャタツを立てかけて艇に登り入り、目に付くヨゴレに洗剤を撒き、ブラシでゴシゴシこすった。

どうもおもしろくない。すぐイヤになって艇を降り、塗装屋をひやかして、自宅へ帰った。

かみさんが、「あれ〜、もう帰ってきたの？」と、ビックリ顔である。

昼飯にオジヤをいただいた。

熱いオジヤに日本酒を注ぎ、少し冷まして食うのがわたしの流儀である。

ドクドク注いだら、オジヤがオカユになった。

昼飯食って酔っ払った。

これから、暫時、昼寝をする。

で、起きたら、あるいは本当に塩風呂かもわからん。

少しは締まらんと、どうにもならん。