アレルゲン　　

 

以前から、あるいは俺も？と、思っていた花粉症が、今期はベールを脱ぐように姿を顕し、このところクシャミ頻発で往生している。

 

調べると、クシャミには大中小とあって、

クシュン・ハクション・ドハクション、の三つだそうな。

だが、困るのは、クシュン前の、モゾモゾと、それに続くスカッペクシャミ。

やや！モゾモゾが来たぞ！

なんとか我慢、我慢と、数呼吸あって、あぁ〜もうたまらん⇒ドハクション！

 

ハクションの後は、大概一仕事したあとの充実感があって、これが得たいために、むしろ無理やりクシャミしたりすることがある。

捻じ曲がった性分だなぁ~。

 

が、しかし、

なんとか、クシャミまで持ってゆこうとするのだけれど、ハァーとクシャミ用の吸い込み息をしたまではよいが、スコンと気分が萎えて、これがスカッペクシャミ。

スカッペクシャミのやっかいなのは、仕事を宙ぶらりんのまま放置したことの後味の悪さだ。僕かぁ、これでも、そうエエかげんな男でもなく、やりかけた仕事はそれなりに、やり遂げたい方の性分。スカッペクシャミは困るわけだ。

 

で、出来るだけ早く、仕事を終わらせたい。なんとか、今一度、あのクシャミ的気分を思い出し、取り戻したい。

と、そうこうする間に、

願いかなって、腹の底から大きく息を吸い込んで、⇒ドハクション！

 

聞くところによると、クシャミ連発で困る人が多いそうだが、わたしの場合は、いまのところ単発が主流で、連続技は時に起こる程度。

 

心配は、実は、尺八演奏会が近いことだ。

もし、万一、舞台上で気分充実し、爆発したらどうしようか。

モゾッ、ときたらどうしようか。

今の間にしっかりクシャミしておいて、本番はクシャミなしでありたいが、あれは一日何回と決まった回数指定があるわけじゃない。

いろいろ考えて、せめて、純粋クシャミでありたいものと思い当たった。

 

ハァ〜と、前囃子があって、クッ、と来て、……ショーン↗〜の後引き囃子、これを純化させる。すなわちハァ〜の前囃子と、ショーン↗〜の派手な後囃子を、心してとりやめる。

と、残るは、“クッ”だけになる。

 

“クッ”だけで、一仕事おえた気分になるやろか？