隠　す　

物品売買を商いにする場合、元値より売値が高くなければ、やってゆけない、

売値―元値＝もうけ分

これをサヤと言ったり、付加価値と言ったりする。

サヤや、付加価値を生むことを努力といい、いわゆる“仕事”がこれにあたる。

丹波町の悪徳（？）養鶏場の経営者のことを考えている。

彼は、数十万羽の中で、１羽でも不審死したら、鳥インフルを思わずにはおれない立場にあった。

数千羽も不審死して、なお平然としておれるわけがない。

緊急事態発生にあたって、彼は、必死に仕事したに違いない。

売値―元値＝もうけ分

を、考えて。

彼は、事態を隠すことが、犯罪だとも思わなかったのではないか。

否、隠す、という意識すらなかったのではないか。

事態発覚後、時をおかず県知事が、出荷自粛が出来ているから云々と公言したが、このときの知事の意識の中にも、情報を隠すという意識はなかったのはないか。

隠すということは、問題をしっかり意識できて後のことである。

ここが欠けているのだ。

養鶏場経営者も、知事（行政）も、問題把握ができていない。

なら、両者は同じである。

釣り人が、自分のポイントを隠すのとわけが違う。