仙太郎　　

 

鳥インフルエンザだけれど、

卵も、肉も、加熱すれば、大丈夫と解っているのに、この大騒ぎ。

もし、本物のテロがあったら、いったいどうなるのだろう。

 

国際テロは日本の風土に馴染みがなさすぎる。とんでもない大騒ぎになるのではないか。

内閣は崩壊し、警察は機能しなくなり、一般犯罪が蔓延し、汚職・汚職でどうにもならなくなるだろう。

 

行政サイドからの、安全宣言が拙速に過ぎる分、危険対応は遅すぎるのが決まりだ。

この無責任風土が、むしろパニックの緩衝剤たり得るかも。

と、いうことは、本物のテロ上陸までは、もっともっと、無責任風土を醸成しておくことが好ましいわけだ。

昨今の殺伐たる世情は、この意味で、ある種好ましいかぎりである。

 

鳥の毒では、チン毒が昔から知られている。

鴆（チン）という小鳩に似た鳥の羽に毒があるらしい。

矢に塗って毒矢にしたとか。

ふと、トリカブトという毒があるのを思い出した。

これは、野草でその根に毒がある。ニワトリやカラスとは関係が無い。

 

カラスだけど、

ハシブトカラスとハシホソカラスが居るそうである。嘴（くちばし）が太いのがハシブトで、都会のゴミを漁るのがそれ。ハシホソは、カアカアの発音が澄んでいて音程が高い。案外獰猛で肉食が好きらしい。我が家の前の藪に居るのがそれである。

 

数年前、わたしが仙太郎と名付けたカラスがいて、いつも向かいの藪のてっぺんの木にとまって辺りを睥睨（へいげい）していたが、いつぞやからみかけなくなった。

彼には子分が居て、いつも数羽がつるんで貸し畑を荒らしまわった。

最近はカラスの被害を聞かない。

カラスのインフルエンザ罹患が話題になりだして、この仙太郎を思い出し、いつもとまっていた木立を探り見るが居ない。

彼が跋扈（ばっこ）していたのは既に１０数年も前の話である。