恐ろしい物　　

恐ろしい物、それは、「蛇にピアス」・「蹴りたい背中」。

それって、なんのこっちゃ？

知らない人は、この際、強いて知ろうとしない方がよろしい。

で、実は、わたしも、知らないで居ようと思っておる。

なにせ作者らとわたしは４４歳の開きがある。

完全に世代を逸脱しておる。

極めておとなしかった自分の高校生時代を思い出すのさえ、霞のかなたを探るような心地がするのに、現今の、ある種時代の罪のような、若者の原罪意識（？）が理解できるはずがない。

でも、この二つの作品を芥川賞に選んだのは、エエ歳こいたおじさんたちでっせ！

飛んだおじさんたちには、この作品が読みきれたってことですよね。

わたし、読みたいとも思わないのに。

読みもしないで、嫌がるのは、食わず嫌いって言います。

食う前から、ある種の偏見に犯されていて、真の味を誤解したまま、食わずにいること。食わなきゃ損だのに、それを知らない小心な気持ち。それが、食わず嫌い。

と、自分を鼓舞してみるのだけれど、やっぱ、読みたくありません。本の近くにも寄りたくない。

なにかこう恐ろしくてたまらん。

これが読めなくては、今の世に生きてゆくことできませんぞ！って、踏み絵を突きつけられたような心地がして、面白くない。

わたし、頑固ではあるけれど、“踏まなきゃ殺す！”、“磔にしたる”と、言われたら、頑固廃業して踏みましょう。それまではヤダ！

あぁ〜嫌なものが、おっそろしい物が現われた。

おのおのがた、もうお読みになりましたか？

怖くなかった？