ケツ２　　

 

高知競馬場でハルウララが１１頭中１０着だった。

どえらい人出だったようだ。

ハルウララ現象というのがあるらしい。

 

いつぞやの友艇トトロ艇の５年間を思い出す。

カジキを狙って、５年間も、ほぼ毎週毎週、カジキ釣りに挑戦し、ボーズ・ボーズの連続だった。１０６連敗どころじゃない。もっともっと負けておる。

 

負けても、負けても、くじけずに一生懸命走る姿がけなげに云々、の見方があるが、これはいただけない。

馬にそんな気構えがあろうとは思えない。

いろいろな感情移入がなされていて、たまたま、のんびりした名前であったがゆえに、変な人気が出てしまった。

 

満足に走れもしないのに、ケツひっぱたかれて、むりやり走らされる。これって、ある種残酷なことだ。

今回鞍上した武豊騎手はどういう気持ちで、ハルウララに乗ったのだろう。

本気で鞭を振るったのだろうか？　

彼ほどの騎手が、馬の力を見抜けなかったはずがない。

走れもしないのに、無情のムチを加えただろうか。

 

事後に見せた武豊騎手の顔は優しかった。

わたしは、競馬は、まったくの素人。

だが、武豊騎手のテレビに映ったあの顔を見て、俄然彼が好きになった。

あの、大観衆のなか、声援を一身に受けて必死に走らざるを得なかったとき、武豊騎手が乗ってケツから二番目。

武豊騎手は、実に、肝っ玉の座った騎手であるように思われた。

 

反面、相撲の中継が、なんとスケール小さく見えたことか。

勝負に勝った後の、横綱のあの顔はいただけない。
ガキの喧嘩なんか見たくもない！
彼は相撲が強いのじゃない、喧嘩が強いのだ。

皆さん、そうは思われませんでしたか？
ハルウララ現象の、反作用でしょうね。