弁　当　　

前は「ミニ・トトロ」、後ろは「はまちどり」

春・４月、月曜日の昼下がり。前、社長派、後ろ、隠居派。

 

プレジャーボートが好きな方なら、わかってもらえると思うけど、

艇を沖へ出さなくても、艇をいじってさえいたら、けっこう楽しくて、時間を忘れます。

車好きなお方は車を、庭いじりがお好きなら庭を、それぞれ好きなことをしていたら、誰でも同じじゃないかな。

 

わたしの艇は、マリーナに陸上保管しているもので、

船ってぇものは、陸に揚げると、とてつもなくでっかく見えて、その実大きくて、キャタツを立てかけねば、艇へは上がれません。よじ登れない。

で、立てかけて上がって、キャビンに入り、ごそごそ片付けをするのだけど、あっという間に２・３時間は経っておる。

 

マリーナヘの道すがら、スーパーで買ってきた弁当・ビールで、昼弁当を食う。

たったそれだけの用事で、マリーナまで行ったりする。

キャビンでごそごそは付録です。あれやこれや片付けたいことが一杯あるような心地がして、出かけはするのだが、これも言い訳です。

ほんとうは、艇に乗っかって、弁当食うだけ。

で、思っていた用事はすっかり忘れている。もともと、さしたる用事があったわけではないもの、忘れた、なんてほどのものでもないもの。

 

天候が悪かろうが良かろうが、ただ、陸上の艇に這い上がり、昼寝したり、弁当食ったりだけで、マリーナヘ行くお方はけっこうあるみたい。

いろいろな型があって、

 

ボンヤリ派……隠居型とも言う。わたしのこと。ミミッチイ年金派ともいう。

実務派…………セッセ、セッセ艇を磨いたり、釣り仕掛けの整備をする

興奮派……… “艇触っていたい症候群”、艇初購入症候群患者ともいう。

社長派…………秘書に「チョット出かけてくる」と言い、時間つぶしにマリーナへ、

 

以前、購入したての艇が嬉しくて、毎日、夕方になるとやって来て、キャビンで休み、翌朝はそこから出勤する人がいた。陸置艇をわざわざ下ろし、桟橋に付け、ゆらゆら揺られながらキャビン内で寝るのが好きなようだった。

あのお方、最近見かけないなぁ〜、どうされたのだろう？