Ｔ艇頑張る　　

 

『玄海灘強風警報、その他九州全域に風警報。鹿児島波浪注意報、日南一帯に強風波浪注意報。
雨は温暖前線がらみのもの、すぐあとから、寒冷前線の激しい雨が来るだろう。
くれぐれも、ご注意ありたし』

 

上記は、５月３日午前８時、長崎小浜漁港停泊中のＴ艇へ向け発した、波平天気情報である。

 

と、すぐにＴ艇１等航海長ヨシ○から返電があって、

「７時４０分、既に出航し、天草諸島周遊の途についている云々」とのこと。

小浜漁港は東シナ海には直接面しない橘湾内の港。漁港を出て、沿岸沿いに走り、島原湾から八代海へ入れば、外海から隔絶された内海ばかりだ。きっと快適なクルージングが楽しめるだろう。

 

と、９時２６分、ヨシ○から入電。

「今から黒乃瀬戸へ入る云々」と。

八代海に面する水俣市や、遥か遠くに天孫降臨神話の高千穂峰有する霧島連山を望見しつつの船旅だが、雨模様ではさてどうだったか。

黒乃瀬戸は、八代海と東シナ海とを結ぶ狭い水路。

抜け出れば、そこはもうなにも遮蔽のない東シナ海。

ヨシ○、少し、ビビッテおる。

「次のメール打てるかな？」と。

さすがヨシ○歴戦の勇士。先の航路の波を、肌で感じつつあるものと思われる。

鹿児島南端を周り、日南海岸南端・日向灘の油津港を目指すという。

波は徐々に高まり時に３ｍを超えるだろうと思われる。激しい吹き降りの中の航行になるだろう。

Ｔ艇長氏は、ガッツの塊みたいな九州男児。

やんぬるかな！