私から一言　　

 

日経報道によると、記者会見の席上、福田氏は

「いいですか私から一言」

といって、用意した紙を読み上げ、官房長官辞任の意向を記者氏らに伝えたそうだ。

真似て、以下、私から一言、

 

愛犬「花」の死を、当サイトに掲載したら、閲覧いただいた方々から、様々なお言葉を頂戴し、痛み入っている。

同様な哀しみを経験された方々が多いようだ。心からなる励ましのお言葉に接し、お礼の申し上げようもない。かような心のつながりが命の価値でもあろうか。

花の死は哀しい。だが、みなさんから、これほどの心からなるお悔やみのお言葉に接しようとは思っても見なかったことである。これって、とても嬉しい。

 

花は、気管に腫瘍があった。気管を圧迫し、これが食道を閉鎖し、息苦しいはもちろん、食えず飲めず、加えて肺やその他臓器にうっ血、腹水など等の症状があり、その苦しさは見るに耐えないものがあった。

意識は終始しっかりしていた。

体力が見る見る減退し、最後は身動きが出来なくなり、かみさんと眼を見合し、ハフッと大息ついてこときれた。

 

体重は、ビックリするほど軽くなっていた。全ての力を出して、命の炎を燃やし、完全燃焼しつくして逝った。その最後の瞬間まで意識を保ちつつ。

 

わたしは、二つのことに、大きな感動を覚えた。

ひとつは、花の生き様である。かほどに完全燃焼して旅立った者が、あったことをわたしは今までに知らない。命の炎の輝きがなんと美しく思えたことか。

ふたつ目は、言うのもはばかるが、かみさんのがんばりである。

一度は花の安楽死を考えたが、いくら苦しくても、命を燃焼させてやろうと、彼女は考えを改めた。で、最後まで花と苦しみを共にした。もうへとへとになっていて、可哀想だが、もう間もなく立ち直るだろう。

 

私といえば、勤めから帰って、静かになった花を顔を見て、いっとき涙しただけのことである。

だが、わたしは、いまだに、上述の大きな感動の余韻にひたっている。立ち直りは、あるいは、かみさんより、遅いのではなかろうか。

“女は強い”これ、今回もまた思ったことである。