オモロイか？　

隠岐航海の疲れは、高まっていた昂揚感がぼやけ静まるにしたがい、どこともなく消えうせた。かったるい日々が戻った。

平和とか、穏やかな日々とかは、生き生きした活動的ななかには無く、活力が萎え静まった、かったるい生活の中にあるもの。これってありがたいが、チイともおもしろくない。

なんかオモロイことないかなぁ〜。

近くの温泉（「グリンピア三木」・『森の湯』）へ一人でかけた。わが家から車で１０分の位置。地区の６０歳以上の老人は、入園料と駐車代が免除されている。入浴料６００円だけで好きなだけ湯に浸っていてよろしい。

温泉場は園内のホテルのなかにある。靴を脱いで浴室へ入ると表に番台類似のカウンターがあり、係員が入浴券を受け取る。男女二人の係員がおり、なにかと世話をしてくれる。履き捨てた靴は、帰る際にはきちんと揃えてある。

午後二時。だぁれも湯になんか入ってないかと思ったら、案外そうでもなくて、結構混んでいた。趣向を凝らした湯船が屋内・屋外に幾つも造ってあって、あっちへ入ったり、こっちへ入ったりするが、広いから多人数入ってもゆったりしている。夕方からは若い衆や子供連れも入るが、昼間の二時は暇持て余しの老人が主体だ。頭にタオルをのせた老人の頭が、あちらにポカリこちらにポカリ。

湯からあがり自動按摩機コーナへ移り、好みの按摩機に座り百円を入れる。と、１０分間按摩機が動く。アンマ部位が異なる按摩機械が各種用意されていて、機械を選びなおしてはまた百円を入れる。

風呂場カウンター係員に聞くと、周辺の老人たちが断然多いということだった。老人たちなかには、ここへ通うのが仕事になっている人もありそうだとのこと。

わたしは、自宅がリホーム中で、自宅風呂場が使えないから、ここへ通っているが、癖になりそうな予感がある。

俺も、この湯に浸りながら、老いを深めるのかなぁ〜と、そんなことを思いつつ時を過ごした。

別段オモロイことでもないけれど、結構時間も過ぎて、なにかやったという充実感もあり、老いを過ごすに便利な場所のように思われた。