バッカン　　

 

昨日、明石海峡へ鬼アジ釣りに出て惨敗。

台風来襲直後で、海にも落ち着きがないような感じだった。あれじゃ〜ダメだ。

「鬼アジ釣れたか？」と、

ゆりたろうが、“よう釣ってないだろうな”、との含みでわざとらしく聞くが、“鬼”てなものは、桃太郎が怖いわけであって、その実は、波平を怖がって出てこなかったということかな。

 

その“鬼”に、以下、少しこだわると、

わたしがこの世でもっとも優れた文学者であると尊敬するお方に百鬼園というお方がおられる。

本名を内田栄造、ペンネーム内田百�閨Aあだな百鬼園とされる超優れたお方。夏目漱石のお弟子だけれど、ある種師を越えたお方。

白状しますとね、

わたしの文体は、このお方の真似。

百鬼園先生＋井伏鱒二＋吉村昭＝波平、だなんて書くと、なんと生意気な！ってお叱りをうけるだろうな。

 

知恵や、知識が、巨匠方に及ぶべくもないのは、いわれなくたって百も千も承知。

ただ、なんとなく、感興の捉え方というか、感じというかについては、わたしがこれら先生方を好く分、あこがれる分、似ているだろうなと勝手に思っているってこと。

だって、

何かを見たり、聞いたり、考えたり、するとき、どうしてもこれらの先生方の目を意識するもの。と、いうより、自分の眼力に自信がないわけだよね。

自分のことを、いつ頃からか、さっぱり信用しなくなったから。心底くだらん男だと思っているから。

わたしは、こういう自己喪失症候群の患者だけれど、他の同年代の方々はどうなのでしょうね。

 

同年代の友人と話ししていて、時として、岩というか壁というか、頑固極まりないガッチンコの考え・思いに、突き当たることがあるけれど…、

自分への自信があるってことでしょうか。

うらやましいような、バカバカしいような気がしますなぁ。

 

とは、言いじょう、

わたしも、その友人たちからみると、だいぶ頑固らしい。これってどうなっとるのだろう。きっと、自分ではそうは思わなくても、なんぞかんぞに、こだわっているのでしょうね。

さしずめ、百鬼園先生にこだわりすぎているのかも知れないな。

ゆりたろうから、“鬼アジ”“鬼アジ”と、問われ、百鬼園先生のことに頭が直行するからは、ヤッパ、こだわりがわたしを窮屈にしているのかもわからんな。

 

わたしだって、還暦過ぎてはや４年。今月満６４歳になるモンね。もうそろそろ自分ができてもエエころかも知れん。

でも、どうしようもないや。

ぼかぁ〜自分が徹底的に嫌いだもの。

自宅リフォームで、玄関前に、廃材収納用の大きなバッカンが据えてあるけど、できることなら、自分の嫌な部分をあの中へ千切り捨てたいですなぁ。

参院選挙が始まって、オレ！オレ！俺にやらせろ！って、立候補するおっさんが出てくるけれど、あの人たちはどういう神経しとるのだろう。