重大事　　

定年後、自宅で静かに過ごすはずの生活が、老妻や周りからのイジメにあって、ことのほか苦しいものであるらしいことは承知している。

ゴミ出しは積極的にやる自信がある。

部屋の掃除や庭の掃除もやってやれないことはない。

わが家の裏の某家は、爺さんが洗濯し、物干し竿に毎日取り付いているが、わたしには、これは出来そうに思えない。

料理。これが難題である。

世の奥方たちは、この分野の肩代わりを強く求めているらしい。わが家にも、その雰囲気はある。

対策を立てた。

料理に挑戦することにする。

生半可な料理はしない。立派な料理をこしらえて、わが愛妻と楽しい食事を共にしよう。

ダッチオーブン料理をわが得意料理に仕上げるつもりだ。

さしあたり、月に数回程度、わたしの料理日を設定し、かみさんにご馳走を食わしたいと思う。

既に、幾度か試し料理をこしらえたが、いずれもアジの点では、秀逸であった。かみさんは気持ち悪がって食わなかったが、充分に料理の名に値するものであった。

１．鶏のもも肉ローストチキン

２．焼ウドン

の２品である。

近々、

３．たまねぎスープ

４．簡易すき焼き

５．炊き込みご飯

に、挑戦しようと思う。

５の炊き込みご飯の場合、―ご飯は常に食べる必要不可欠の食い物である―、

ダッチオーブンに米を入れ、そこに何かの具を加え、後、炊くのであろうが、

わたしの場合は、釣った魚になるはずだ。

要するに、サシミを造って、これを米に混ぜ炊くことになるわけだが、

魚は、実は、骨や皮にも旨味があって、これを全て外して炊くのはもたいない。

骨・皮のアジを、ご飯に骨・皮を混ぜ込ませることなく、取り込む方策が知りたい。

どなたか、ご存知のお方があれば、ご教授願えまいか。

これ、すなわち、わたしの将来生活の根幹に関わる重大事である。