ひさしの上下　　

ツバメのヒナは、二羽だけになったけれど、今日は落ちなかった。

二羽並んで巣から外を見ている。

チオチオの声が、声変わりしたようで、わたしにはジオジオと聞こえる。

親が餌を運ぶ回数が気になってならん。

どうも、現代風なところがある親たちのようで、子を忘れて遊んでいて、フト子供のことを思い出すといった感じがある。

親が、遊びの合間、合間に、帰ってくるのは、遊び相手の恋人ABCがダンゴになって一緒に帰ってくることで察しがつく。

タマゴは当初四つあったが、その親たちは、あるいは複数だった可能性が強い。

落ちたヒナ２羽は、察するに、この義父たちのやっかみがなせる業ではなかったろうか。

母親が、先に帰ってきていた雄（？）ツバメを、猛烈な勢いで追い出したことがある。ほんとうの父親ではなかってことか。

ひがみっぽい振られオスが、スキをみて、ヒナを突き落としたのではなかったか。

ひさしの下に立って、わたし、前方空間を睨み、わが家のツバメ巣にあだなす悪漢ツバメを撃退しようと思うのだが、これがさっぱり見当がつかん。佐々木小次郎は、あのようにせからしい針路不定のツバメを見切り切ったのか？スッゲェもんだ。

金の字から、電話があった。

「どや？今晩ヒマか？」

「ほうかぁ、また、電話する」

しばらく後、電話・電話・電話、

じゃんじゃーん、じゃじゃじゃ、じゃじゃじゃ〜と、これ、何の音楽だい？

携帯電話は、音楽で着信を知らせます。

「あかんわぁ〜、もう一人足らん」

マージャンは４人のゲーム。

世の中には忙しいお方もあるみたい。