五ヶ月　　

愛犬「花」が亡くなって、はや五ヶ月が経とうとしている。

この五ヶ月の間に、自宅リホームが終わり、「花」の遺影の場所にも落ち着きが出てきた。

五ヶ月前には、幼犬であったショウタ（マルチーズ）が、片足立ちでオシッコをするようになった。

また、以前から居るダイスケ（マルチーズ）は、ショウタと見比べるせいか、一転して大人びてきた。いつもおう揚で、眠たげである。

「花」、健在の頃は、わが家の庭へはネコは立ち入らなかった。

ネコが片足入れるや否や花は猛然と襲い掛かり、ネコを追い払った。

逃げ損ね、切羽詰ったネコが、家の垂直壁面を駆け上がり軒下に頭ぶっつけ、そのまま落下したことがある。花の目の前であった。花はビックリし飛びのいて脳震盪を起こしたネコを不思議そうに見た。ネコは直ぐに正気に戻って脱兎のごとく逃げ出したが、その後二度とはわが家庭先へは近づかなかった。

五ヶ月経って、ネコらに、「花」不在が知れ渡ったようである。

あそこには、ショウタという小犬が来たが、あの怖い「花」は居なくなったと知れたようである。

ネコがわが家の庭をのし歩いている。

ショウタが激しく吠え立てるが、迫力が足りない。

きゃつ等は、ショウタが吠え立てる中、メダカ鉢を覗き込み、メダカを捕ることを覚えた。

３年前から居る背曲がりの老メダカの姿が今朝から見えない。

やられたように思われる。