昨日はボーズ　　

 

魚釣りは朝が早い。釣場へ夜明け前に着く。これが最高のタイミング。

と、なると、逆算して、床を離れるのは日の出前の、まだ真っ暗な時刻。

わたしの場合は、日の出から逆算して３時間半前の起床となる。

 

実は昨日も釣りに出たが、前夜の一昨日が遅番勤務日で、帰宅が夜１０時だったから、次の日すなわち昨日の朝は起き辛かった。昨日は時間をずらし、目覚ましを４時にセットした。

で、４時に起きて、寸時ぼや〜として…、

あぁ〜、この“ぼや〜”とする時間が必要です。

これがエエかげんだと、その日、一日体調がおもしろくない。

たとえば船の上で急に腹が痛くなったり、けつまずいてネンザなんぞしたりする。ぼや〜を節約すると、ろくなことがない。

 

で、で、充分ぼや〜としたところで（この間、約一時間）

⇒ラーメン湯がいて

⇒食って、

⇒飼い犬２匹の散歩に付き合って

⇒トイレ済ませて

⇒それから、やおらマリーナへ向けて走る

⇒途中の終日営業のコンビにで、パン２ケとペットボトルと焼酎小瓶を買って

⇒マリーナ手前に釣りエサ屋があって、エサと氷を仕入れ

⇒マリーナ着が７時前だった

⇒もう夜は明けていた。

 

ほいで、

かみさんは付き合って、起きてくれなかったのかって？

バカな！　世の中、そんなに甘くない！

彼女は寝ておる！

釣り師たるもの、女房に気を遣って、起こさぬように、そっと起きんでなんとする。

わびしく一人でラーメンを湯がき食うが、

これにチャーシューかなんぞを、加えたいが、どうせ冷蔵庫開けても在りかがわからんから、ラーメンだけしか食わん。

ただし、湯がき汁に工夫があって、

汁の約３分１は日本酒にする。超美味に仕上がる。

出来たラーメンに、真っ赤赤に一味唐辛子を振り掛ける。

カッカしながら食って、ようやく身体に活気が目覚めるって寸法だ。

 

家を出立するまえに、新聞添付の広告チラシのなかから、裏側が白紙のものを探し出す。裏側に筆で、かみさんへの、朝のオハヨウ・メッセージを二三行書く。

これは、彼女が、朝起きだした時、ダンナが居なければ、キット寂しいかろうとのわたしの想いから発したことで、永年これを続けておる。

 

世に、“フィッシング・ウイドー”という言葉がある。

直訳すると“魚釣り未亡人”。

ダンナが、かみさんほったらかして、一人自分だけ、魚釣りに、呆けている状態を皮肉ったものだが、まさに、言い得て妙というべきか。

 

余分なことながら、

朝の早起きは、必然的に前夜の早寝につながっておる。

ダンナは、かみさんを、一人ほったらかして、自分だけ早々とフトンにもぐりこむ。

フィッシング・ウイドーとは、ここを言うたものか。