歌　　

夜明け前、未だ外が昨年の夜の帳にある頃から起き出して、ＣＤを聴いている。

テレサテンの歌が１８曲入ったＣＤが１９８０円だったので大晦日に買ってきた。

彼女の歌は、以前から好きだった。

どの歌も静かで、きれいで、詩も好みだ。

昨夜の紅白はほとんど聴いていない。やたらケバケバしく、聴く気にならなかった。

歌にはそれぞれの歌ごとに、歌を聴く環境というものがある。紅白の舞台作りはわたしにとって好ましい環境じゃない。

書斎の小窓がしだいに明るくなり始めた。

空があかるくなり始めている。どうやら快晴らしい。

東の空、地平線付近は未だ雪を含んでいるのか黒い雲が重そうである。

その黒雲の上は薄い茜色。

茜色は白くなった。黒い雲の上に白い綿毛が千切れている。

快晴かと思ったが、明け染めてみると、そうでもなさそう。

雨戸をくると外の冷気が入ってきた。

とつとつと、テレサテンの歌が続いている。

庭に昨日夕刻急に降った雪が未だ消えやらず凍てついている。

テレサの歌が好みである。

ガラス戸一枚外は凍てついた冬。