ゴミのなか　　

陽が昇った

ここわが家の居間の隅の書斎の窓に

ゆっくりと屋外がしらみ始めた

粉雪が舞っている　寒気

サラリーマン生活を四十数年やってきた

朝は、いつもせからしかった

休日の朝は、釣り行きに、これまたせからしい

今は、静かだ

小窓から空を見上げていると、自分が動いているような気がする

変な感覚がムワァ〜と沸き起こった

地球という乗り物に乗って、俺は、宇宙を航海中である

恁麼（いんも⇒そのように・このように、の意）

机に向かうのはクセである

ボンヤリするのはここが一番

これから先、齢を重ね、ここに座して老いてゆく

とりあえず、ボンヤリから始める隠居生活

やりたいことが山ほどある

サラリーマン生活は自分を殺した

今、生き返った

快い開放感

さぁ〜て、なにから始めようか

生来の整理下手＝アホ

机も、頭も、乱雑、あれこれ片付けたい

どう片付けたらよいか、それがわからん

艇は走る、航跡を残しながら

人は生きる、ゴミを残しながら

今、不要な物は、捨てようと思う

で、何が必要で、何が不要か…

それが判然としないから、ゴミにまみれて座っておる