ゆりたろう  

  

好漢ゆりたろうの愛艇です。艇尾でゴソゴソやっているのがご本人。

50馬力と8馬力の2丁エンジンを積んでいる。

写真は8馬力エンジンにとっついて、出港前の試運転を試みつつあるところ。

エンジンの頭にはヒモが仕込まれていて、そのヒモを勢いよく力まかせに引っぱる。

とろりとろり引っぱったってエンジンは掛からん。ケッタクソがらみでドヒャッ!っと引っぱる。たびたび、先ほどから、ゆりたろうがやっているように、ドヒャッ!ドヒャッ!と。

寒いんだよね、エンジンだって、そう簡単には起きてこん。

ゆりたろう、ガソリンタンク持ち上げて振り回したり、タンクとエンジンとをつなぐ燃料パイプの風船を、このやろう、このやろうと、撫ぜたり摩ったり、はてはギューッと心を込めて握ったり。

(ホース途中に仕込まれている黒い風船をベッカンベッカン握ったり放したりして、その反動でタンクのガソリンをエンジン側へ送ります)。

 

ええ加減にエンジンも、おっさん・ゆりたろうの言うことを聞いてやっらどうだ、と、半ばあきれて見ておったら、ブルン・ブルン・ガタガタガタとエンジンが回り始めた。

艇の頭が寂しいのは、昨年の台風で屋根が吹っ飛んでしまったからだ。でも、快適な艇だ。一旦回り始めると、エンジンもリズミカルで、いい感じの音。二見人工島の水路が寝床。

 

釣具や、クーラーボックスや、釣り餌や、釣り竿の束をどっさっと積み込んで、島の水路を、西へ、東へ走りまくった。あちこちで竿を出し、魚々どものご機嫌を伺った。沢山釣れたか?もちろん、たくさん釣れた。あったりまえだ!

ほれ、それが、この写真。

右手に新ワカメ・左手に岩海苔。棒状の得物は、弁慶のナギナタ。これでテトラ周りをコスッて獲った。

写真バックは明石の大門。

ゆりたろうじゃない、牛若丸。

テトラじゃない、京の五条の橋の上。春はここからやって来る。