生きる　　

 

ゆりたろうには解らんだろうなぁ。わたしの、このゆっくりした気分は。

わたし、サラリーマン生活をやめて今日で１６日目になる。

１６日間を振り返るに、一日として、無為に過ごした日は無い。

実に充実した日を過ごし得ている。

自分と言う生き物を、宇宙の真っ只中にすえて過ごす毎日が、こんなに有意義なものであったとは。

 

ゆりたろうは、かつて銀行に勤めたことがあったようだ。が、３年ほどで勤めを止めて、以後は自分ひとりで事業を興し、食っている剛の者。

彼は、この意味では、わたしの大先輩である。

が、しかし、彼は、サラリーマンの悲哀を知り尽くしているわけじゃない。ここがわたしと違う。わたし、嫌というほどこの悲哀を味わった。実に半世紀近くもの間。

 

わたし、今、「命」のことを考える。

この宇宙に生を得て、漫然と暮らすことの恐ろしさを思う。

サラリーマン生活が、あまりにも命を使うに、もったいないような気がして、苦しくてしかたがなかった。

今は、自分の時間を得て、さぁて、これから残る人生どう生きてみようか。

 

光文社新書から「自由と言う服従」という本が出た。著者・数土直己、７３５円。

実は、まだ、読んでいない。

が、題名見ただけで、内容がほぼ理解できる。近日中に読んでみよう。だが、買わない。買う値打ちがあるようには思わない。図書館で立ち読めば用が済む。

人間は弱い。総じて服従の場に身をおくのが好きだ。だが、わたしはそうじゃない。置きたくない。

 

明日は、神戸大学附属図書館海事科学分館へ出かけてみたい。

ゆっくり時間を使って。見たい本など探ってみよう。

こんな贅沢が許されるなんて、生きていてよかった！

 

春。乗っ込み鯛が釣れ始めたようだ。

あの鮮やかな黄金色の鯛が釣れる時期が、また今年もやって来た。

 

愛艇「はまちどり」に、その鯛釣りに必要な具は、既に積み込んである。

あとは、

あぁ〜、壊れ梶（ラダー）の代わりの、新調ラダー取り付けを待つばかり。

楽しいじゃないか。胸がワクワクする。