茶漬け療法　　

 

先の演奏会で、着慣れぬ和服で尺八を吹き、風邪をひいてしまった。

一昨々日からノドがイガイガして気持ちが悪かったのが、昨日朝には一段と気合が入って、やたら咳が出た。

一つ空に咳をすると、二番目三番目の咳がわれもわれもと競りでてきて実を言いつのり、もう止めようが無い。

そうこうする間に、なんだか頭が熱っぽく感じはじめ、ドロ縄でがらがらウガイしたが、もう手遅れだったみたい。体温計がうなぎになって、３８度線を突破。

これって、生活苦からきた風邪ではあるまいか？

 

「風邪らしい。○×医院へ薬を貰いに行きたいがエエか？」と、わたし。

「なんでそんなこと相談するの？行ってきたら。もう１１時半よ、早く行かないと診療時間が終わりますよ」と、かみさん。

「ウン、行ったら、またお金取られる」と、わたし。

 

風邪引きで医者にかかってお代を払うことなど、今まで気にも止めていなかったが、隠居になったとたん、健康保険料の支払い請求や、市県民税の通知や、あれやこれやの請求がどっと押しかけてきた。

ほぼ毎日、車であちこち出かけるが、買い換えたＳＵＶ車のエンジン排気量がでかいもので、あっという間に給油せねばならん。そのガソリンがまた値上がりするらしい。

 

医者は、三袋もの薬袋に、いっぱい薬を詰めてくれた。一度に４種類の、すなわち４粒飲むが、常の薬も呑まねばならんから、あわせると６粒になる。

昨日は朝一番に、実は、歯医者へも行ってきた。前歯が欠けてどうしようもなかったから行ってきた。口を大きく開けて歯医者を迎えるわけだが、ここで咳が出るとたいへんだと思うからアブラ汗が出た。で、ここでも、支払いがあった。

やたら寒気がするわけである。“ホカホカ貼る懐炉”を身体中に張り巡らしている。数貼ったがこれは意外と安かった。

締めて、７千円近くの出費である。

 

ジット寝床で寝ておればサイフいじらずに済むものを、ワッシャ我慢が足らんようだ。

薬だけではアカンのだ。かみさんが、ビタミンＣをたくさん摂らなアカンと言って、イチゴや何やかや買ってきた。買い置きの薬も、ついでに追加飲み。

風邪の早期撃退を狙っているが、こやつは、我が体内に居るには違いないが、所在がいまいち定かでない。難儀だ。

 

昨晩（２日夜）、昨年沖縄方面へプレジャーボートで闊歩されたＭ氏から、電話をいただいた。「神戸へ出てきたが、明日３日（今日）昼、三宮で出会いませんか」とのことである。

咳で、咳で、電話機に咳を連発しながら、

「残念！風邪引きでどうにもなりません」と返事。

明日４日は某氏の退職祝賀会。

義理あるお方だ。是非にも駆けつけたいが、この体調ではいかがなものか。

生活苦の中ではあるが、そこらじゅうの薬をかき集め、茶椀によそって茶を注ぎ、薬粒の茶漬けをやっとる最中である。

 

この体温計、狂っとる！！