秒読み  

 

一昨日(4月1日)、ウグイスの初音を聴いた。わが家の向かいが、ちょっとした雑木林になっていて、そこで盛んに鳴いた。

庭の梅花は既に散り、一見むざんな姿を見せている。若葉を待つ間の一休みってことか。近くの土手に桜が幾本もあるが、ツボミは堅く未だ咲かない。

その土手にツクシが出たようだ。

一昨昨日から、姪が、子供二人を連れ、泊りがけで遊びに来ていた。5歳の女の子と2歳の男の子。

ウグイスの声を聴きながら、皆で、ツクシ採りをしたらしい。

夕刻、わたしは、

摘んだツクシの袴(はかま)取りをする子供等をみながら焼酎の湯割りを呑んだ。

 

子供を肴に酒を呑むなんぞは、オツなものだ。

たわいないような、それでいて、重大な課題を前にしたような、はかりがたい心地がする。

ひとつには、淡々とした、あったりまえのことであるし、

ふたつには、すくすく育つ子供等に、驚きを感じざるを得ないってことでもある。

わたしら夫婦には子供が居ない。

かみさんは、どこかしこの赤ん坊を抱いたり、最近では、姪や甥の赤ん坊やこどもらを遊ばせたりしておるが、わたしは、そういうことはたいへん苦手だ。せいぜい、目の前に遊ぶ子供等を見ながら酒を呑むくらい。

 

毎朝、起き抜けにパソコンを開き、その日の気分で新聞を選び、画面上でザッと閲覧する。

朝日新聞be版に「下がり続けた夫の地位『サザエさんをさがして』」というのがあった。

わたしの名は波平である。

「本名ですか?」って、問われることがたびたびだ。

以前は、その都度、「いいえ、ペンネームです」ってお応えしていたが、最近では、面倒だから本名ってことにしている。

磯野波平氏はサザエさんのおとっつぁんだ。

サザエさんは、磯野波平と磯野フネの間に生まれた長女。

サザエさんの夫・ますお氏はフグ田家の次男であって、サザエさんは、フグ田サザエってことになる。
余談になるが、同じく今日の日経新聞に、「娘が『事実婚』を宣言」ってのがある。入籍しない結婚のことをいうらしい。乱れた世になりつつある。

 

さて、朝日be版によると、4コマ漫画のなかで、

「…妻が教育、家計と家の実権を握り、法的権利の拡大で発言力を強める。作者は、そんな中で自信を失っていく男を、冷静に見つめている…」とある。

その代表が“波平”ってこと。

作中の波平氏は59歳。対比するに、わたし生身の波平は間もなく65歳。

やはり際限なく価値・地位の下がり続ける隠居である。

 

雨が降っている。

昨夜のこと、明日は(今日)は、「ニギリ飯は造らなくてよい」とかみさんに伝えてある。

でも、こやみになったら、急きょ「ニギリ飯!」って言い出すかもしれない。

艇バウレール先端からデッキハウス先端にかけて、6ミリの鋼線を張りたいと思う。

艇前部へ移動する際は、この鋼線に、命綱を引っ掛けて移動するつもり。

「日本列島魚釣り周航」出発の日が、秒読みに入った。

だが、準備は、未だ半ばに達しない。

雨天だけれど、

できれば、ニギリ飯持って、マリーナへ出掛けたい。