朝の散歩      210329

 

今日は現役生活最終日である。

明日、退職辞令を受け取って、明後日からは年金生活に移る。

で、今日の仕事は、職場に置いてあった私物の撤去と、気持ちの整理だけ。

只今、朝、5時15分。

シーズー犬のイビキが聞こえる。ゲェ助はまだ夢のなか。

 

仕事上の引継ぎ文書はもう作成済みだし、実を言うと、私物の撤去も気持ちの整理も、もうとっくの昔に済ませてある。と、なると、今日はもう何もすることがない。

昨晩、かみさんが「パパァ、明日もお弁当要るの?」と問うたから、

「あぁ、要る」と言うてあるが、弁当食うのが、あるいは仕事らしい仕事であろう。

 

およそ仕事というものは、人そのもののことであって、他人に引き継ぎ得るものではない。

私はそう考えている。

後継者などという言葉があるが、あれはウソ偽りもいいところ。本気で後継者が欲しいとか、俺は誰それの後継者だ、なんて思うやつの気が知れない。人間の重みはそのような軽軽しいものではないはずだ。一人一人がまったく独立した人格であってクーロン人間だとて、互いの心は別々であろうと思う。疑心暗鬼になって殺し合いかねんぞ、あぁ恐ろしい。

 

昨日、小遣の来月分月給からの先借りをかみさんに願い出ようとして、ハタと気がついた。来月の月給?? あぁどうしたものか…。

気持ちの落ち着けようがなくて、新聞広告チラシの裏に、当面必要な所用経費の見積もりを書き付けた。あぁどうしたものか…。

 

どうやら夜が明けたようだ。

ゲェ助が起きてきた。花子(ボルゾイ犬)が散歩をせがむ。

「あぁどうしたものか…」

を、考えつつ、二人(?)を連れて、朝の散歩・歩・歩。