プッツン　　１３０３３１

 

年年歳歳花相似　

歳々年々人不同

 

昨日（金曜日）退職辞令を受け取った。書面上は今日はまだ会社の人。正式には明日からが「天下の浪人」。だが、もうすでに「天下の浪人」のつもりである。

 

早起きは長年の習慣だ。今、午前４時。夜が白んだらさっそく桜の様子を確かめるつもりである。
さて、これから、

出勤（？）までの３時間ほどが読書の時間。私は昔から高血圧であって、早起きは苦にならない。朝一番がスカッとしていて何をするにも都合がよろしい。

で、朝の一仕事（読書）を終えて、飼い犬と散歩して、朝飯食って、満員電車で職場に着いて、茶を一杯飲むと、そろそろ疲れが出てきて、そこを騙しだまし月給用の仕事に取りかかる。
そういうことを長年やってきた。

でも今日は、プッツンの後だ。朝飯食ったら、風呂沸かして朝湯へ入ろうと思う。

 

居間に机代わりのコタツ（炬燵）テーブルを置いていて、真中にノートパソコン、前後左右に読みかけの本や各種辞典・雑誌類を積み上げている。今、数えると読みかけの単行本だけで２９冊あった。エエ加減な不真面目読書だこと。それら全部が途中まで読みかけて後、ほったらかしてある本である。

ふと、気になることが生じたとする。今、読みかけている本のどこかに書いてあったことだけは判っている。で、片端から本を手に取りページを繰る。不思議と、そのことが、左右どちら側のページの、どのあたりに書いてあったかは記憶していて、やっきになって探す。

見つからないと、さぁ大変。あるいは既に読み終えた本のなかのことであったか、などと疑いだすと、もうきりがなくなる。朝飯食う暇がなくなって、きりきり舞して疲れきって出勤する。

でも今日は、プッツンの後。

昼飯まででも、晩飯まででも、メシ食う暇が惜しければ、このまま好きなだけ食うのを抜いて探しておればよろしい。

あぁ、大変だ。気になることが生じなければよろしいが…。

 

昨日、退職辞令を受け取った後、時間があったので行きつけの古本屋へ入った。棚の、心覚えのあたりに心覚えの本が無事納まっているのをなんとなく確かめていたら、ふと見かけぬ本が目にとまった。青木正児全集第７巻。この本欲しい。７８００円だった。

でも、すでに月給プッツンの後。

立ち読みするほどに買いたくなり、買おうと衝動が走るつど、月給プッツンに突き当たり、また立ち読みした。

あぁ、思い切って買っておけばよかったのにと今思う。中に書いてあったことが気になっている。中国の古いわらべ歌の一節がたいへんおもしろかった。今一度確かめたいがあれは古本屋の書棚の本である。どうしようもないことである。


追記・　＜４月２日、退職後、初めてのウイーク・デー＞

今日もまたまた早起き。
書棚や、散らかしほうだいの書斎（居間）整理に手をつけた。１０日間ほどはかかりそうだ。
未整理のまま溜め込んである新聞の切り抜き。いつ撮ったのかも判らない写真の数々。あちこちでいただいた名刺はすでにその大半が顔を思い出せない人たち。
書き散らした原稿がやたら多い。読み返すのも恥ずかしい。全部まとめてゴミステーションへ。

落ち着いて読みかけの本を読みたいがぜんぜんその暇がない。書斎まわり整理のついでに部屋の掃除もと、雑巾持ってウロウロしていたら、ついつい知らぬ間に境界線を越えて他郷（他室）へ立ち入った。かねがね、かみさんは掃除が苦手と承知はしていたが、こりゃ大変、わが家は家中ゴミだらけではないか。

ふと、感ずることがあって、雑巾を手放した。
掃除を途中放棄しパソコン前に座す。
“今、ことさら雑巾持ってうろつくと、かみさんへの嫌味になりはせぬか”
退職の実感がいきなりフワァ〜と湧いてきた。

とっくに出勤時間も過ぎた９時前になって、ようやくかみさんが寝ぼけ顔で起きてきた。
彼女は低血圧。弁当作りから開放されたのである。